「みんなで幸せになると良いよ。」
大学生ばかりの男子の中にいたのが「野田」。一目で軽い人間だと分かったわ。軽くてモテるタイプの人間。将来を考えて付き合うのは無理でも一夜だけなら魅力的な男。

正直、顔以外に魅かれるものはなかったわ。だけど、野田は私に興味をもったみたく周りの人間の雰囲気は二人をくっつけること中心に動いていた。

何かというと甲高い声で笑って「可愛い、可愛い。」って言うの。いかにも心を込めてますって顔をしながらね。一緒にいた私以外の女性はみんな野田を狙ってたんじゃないかな。

彼が喋るとみんな大きな声で大袈裟に笑うの。自分以外のひとが目立つのを極端に嫌うみたいで時々凄く冷ややかな視線を送ってるのがわかった。

理由はわからないんだけど、私の姉を思い出させる男だった。見た目は全然違うし、話し方も仕草も何一つ姉とは違うんだけどね。ただ、『苦手』それだけは共通してたわ。
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