「みんなで幸せになると良いよ。」
ヒイラギは何かふっきれたような顔をしていた。

『愛し方って』

いきなり話し始めた。

『愛し方ってひとそれぞれだから時には理解されないこともある。』

佐紀ちゃんと啓のことなのか、佐紀ちゃんと野田のことなのか、
分かっているふりをして『愛し方ってひとそれぞれ』という使い古された言葉に「そうやね。」と頷いた。

キレイな顔。

前よりもキレイに見える顔。


『みんなで幸せになると良いよ。誰も淋しく感じなくなるから。』


ちょっと優しく笑っていた。
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