「みんなで幸せになると良いよ。」
第9章 ヒイラギと僕。
仕事の合間を見てはヒイラギと食事をした。
仕事も少しずつ忙しくなっていたけど、時々食事する時間くらいは作るようにしていた。

「この夏、予定あるん?旅行とか。」

食事中の何気ない会話。

『うん、全くない。』

「寂しいやつやな。…恋人とか作れば?」

小さいけど僕としては勇気を振り絞った質問。

『図工じゃないねんから理想の彼氏なんかできんよ。』

口の中の物がなくなる度にどちらかが喋った。

『君は新しい恋人は?寂しい夏になるで。』

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