「みんなで幸せになると良いよ。」
副作用は日が沈むころには感じなくなっていた。

『今日は泊まってくん?ご飯なんかつくるけど御希望は?』

椿がパジャマ代わりのダサい黒いT-シャツに着替えてながら言う。

「作ってくれるんや。やったぁ。何でもいいけど美味しいもん。」

『了解。』

一番面倒な注文も彼女は嫌な顔ひとつせず答えてくれた。屈みながら冷蔵庫を物色するも

『あっちゃぁ~やっぱ行かなあかんかぁ。』と小さく呟いた。

買出しのことだろうと安易に予想できたので

「行くわ。」と腰をあげると

『いいから、いいから。』と肩を軽くおさえつけ、

家着のまま歩いて5分くらいのスーパーに出かけていった。

各局テレビ番組は夕方のニュースを流し始めた。大きな事件が起こらないので最近は報道番組をスルーしていた
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