「みんなで幸せになると良いよ。」
2.椿との別れ
『アンタはさぁ、私のことどう思ってたんかな?』
突然の「過去形」の言葉。
驚いて声にならず、表情のみのリアクションで唾を飲み込むことも出来ずにいた。
唾を飲み込むタイミングを失うほど動悸がする。
目はいつもの椿をとらえている。
いつもよりは弱まった声。
『私はね、アンタのこと大切に思ってる。私が何かを頼むと嫌でもアンタは快諾する。』
心なしか椿は声だけじゃなく、体が震えている、そんな気がした。
経験が浅いから戸惑っているわけじゃない。
ほんの少し前までなら何をやらかしても「もぅ!アホ!」と笑ってくれた。
広すぎる心を持った女性はこの部屋には居なくて、代わりに迷子になった少女がぽつんと立っている。
「僕なんか要らんこと言うてしまった…?ごめん、もう少し詳しく話を聞かせてよ。」
椿は喋らなくなった。
テレビが笑っている。
今僕らには笑い声は要らないのに
再放送のバラエティは空気を読めず
この部屋ではすべっていた。
突然の「過去形」の言葉。
驚いて声にならず、表情のみのリアクションで唾を飲み込むことも出来ずにいた。
唾を飲み込むタイミングを失うほど動悸がする。
目はいつもの椿をとらえている。
いつもよりは弱まった声。
『私はね、アンタのこと大切に思ってる。私が何かを頼むと嫌でもアンタは快諾する。』
心なしか椿は声だけじゃなく、体が震えている、そんな気がした。
経験が浅いから戸惑っているわけじゃない。
ほんの少し前までなら何をやらかしても「もぅ!アホ!」と笑ってくれた。
広すぎる心を持った女性はこの部屋には居なくて、代わりに迷子になった少女がぽつんと立っている。
「僕なんか要らんこと言うてしまった…?ごめん、もう少し詳しく話を聞かせてよ。」
椿は喋らなくなった。
テレビが笑っている。
今僕らには笑い声は要らないのに
再放送のバラエティは空気を読めず
この部屋ではすべっていた。