「みんなで幸せになると良いよ。」
大学に退学の手続きに行くためにバスに乗った。

緑色の市バスに揺られているとやっぱり思い出してしまう。



いつの日だったか空席の多い車内で並んで座っていた日のこと。
椿はバスのなかで眠ってしまって、僕の肩に頭を置いていた。

降りる準備をしているおばぁちゃんが席を立って出口付近で立っていて
バスの少し大きめの揺れが椿を起こしてしまった。

『あぁ、ごめん!』と僕に謝って、立っているおばあちゃんを見つめだした。
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