「みんなで幸せになると良いよ。」
事務局で退学の手続きを済ませて帰ろうとすると、
『若!やめるの?』と野田が心配そうに声を掛けてきた。

うざいなぁ、と思いながらも

「そうなんですよ、やりたいことみつけたから引っ越すことにしたんで。」

適当に嘘をついたけど、『そぅなんだぁ、頑張れよ!』くらいで終わると思っていた。

野田は『やりたいことって何?』とか
『帰ってきたら連絡くれ、女まわすから。』とか
『若以外には若はつとまらんから、はやく諦めて帰ってこいよ』とか

どうでもいいこと、くだらないことを片っ端から集めたような言葉をくれた。
いつも通りの軽さに作り笑顔も引きつった。

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