「みんなで幸せになると良いよ。」

4.衝撃、大学。

数日間は忘れたふりをしていた。

祭りは楽しかったけど、それ以上でも以下でもない一日だった。
そんな風に嘘をついていたけど、やりきれなかった。

突き通せなかった嘘の反動は大きく、財布と携帯だけもって玄関を蹴破るように出て行った。


バスに乗ると相変わらず車内は年齢層が高く、商店街まで人は詰まっていた。
大きな病院と商店街があるバス停で乗客の8割が降りた。
運転手の真後ろの椅子に座った。



「ヒイラギだった。」



そのひとつの真実だけで十分だった。



十分、椿との思い出を直視できそうな気がした。
大学につくころには夕方になっていて生徒も疎らだった。




メールを送ってみる。
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