「みんなで幸せになると良いよ。」
『どうしてえぇかわからんくて、君しかおらんから連絡した。
そばに誰かおってほしかったのに、君は知らんとこ行ってまうし。
他に話せる人おらんし、どうしたらいいか、どうしたらいいか…
分かるわけないやんか…分かるわけないやんかぁ…』

白い無地のTシャツを彼女はお構いなしに掴んで引っ張って、顔をつけて化粧で汚されていく。

僕はといえば

彼女の心とか、

他人を信じることとか、

純粋な気持ちとか


汚した。


ヴォリュームが駄目になったステレオみたいに


ヒイラギはすごく泣いていた。




すごく泣いていた。

< 90 / 266 >

この作品をシェア

pagetop