小児科医が甘え下手な看護師に愛を教えました
「…葵さん。俺本当に自由なのかな?みんなが遊びに行ってる間に両親は弟の治療費のために共働きで一生懸命家事やって、でも勉強をおこたることもできなくて、

それでも俺自由なのかな」

その話を聞いて私の経験より遥かに想像より遥かに悠くんは苦しんでた。

「お母さんやお父さんと話すことは?ちゃんと自分の気持ち伝えられてる?」

悠くんは、俯いて首を横に振った。

「ご両親忙しくて、自分の意見なんて…って思ってる?」

「うん…俺の意見よりも早く休ませたい」

「悠くんは?」

「え?」

「悠くんの休む時間は?それにね、大人にだって頼ることできるんだよ。


でも、まずは私には話してくれたのが偉かったね。ありがとう」
私は優しく微笑んだ。

「うん」

「学校の部活は?いけてる?」

「うん、頻度が少ないやつだけど。お母さんが部活やっていいからねって言ってくれたから」

「そっか」

「あっ!時間が…家帰って洗濯物」

「じゃあ、帰らないとね。少しは軽い?」

「全然ちがう。ありがとう、葵さん」

最後は笑顔が少し見えた。
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