神様、俺は妻が心配でならんのです
 今まで事例がないことであるし、やはりどう説明していいのか、どうすればいいのかまるで分からない状況だ。それが彼を悩ませていた。

 一週間前、仲村渠が急きょ立ち上げたインターネットの掲示板をチェックしてみると、昨日訪問した例のユタの情報の他に、新しい書き込みがされていた。新しい書き込みは、十二件あった。

 そのうち一件は、例のユタを紹介したサンヤンというハンドルネームの情報提供者だ。

『どうでした?』

 報告を求める書き込みを彼がしていたので、仲村渠は

『あまり進展はなかった』

 とだけ書き込みの返事を行った。紹介してくれたのだから、実のところ……だなんて素直にな感想をべらべらと喋ってあげるわけにもいくまい。

 別のハンドルネームの人間からの、新しい書き込みもあった。

 とはいえそれは、すべて仲村渠の質問を、質問で返しているだけだった。

「ふぅ……ただの好奇心、てやつかい」

 しかし、ミチというハンドルネームの書き込みも同様に質問形式だったが、それにもかかわらず、本日の朝早くに書き込まれた最新のそのメッセージが仲村渠の目を引いた。


――あなたは、幽霊を信じますか?
< 24 / 120 >

この作品をシェア

pagetop