神様、俺は妻が心配でならんのです
 インターネットで調べれば、答えが出ることだったらいいのにと、仲村渠はやるせない気持ちに包まれて、思う。

 こういうことに答えがあったのなら、きっと誰も彼も苦労しなかっただろう。

 先程の双子の占い師もそうだ。

 彼女達は信心深かったが『神様教えて』と言っても、その時に答えは得られずに苦労した。

 けれどその苦労が彼女達を大きくし、成長させ、まるで自分で選び取ったみたいに彼女達は今の人生を生きている。

(じゃあ俺は? どうしたらいい?)

 ただの、一般人だ。こんなことなど何も縁がない、ただの、至ってどこにでもいるガミガミ親父だ。

 名護市内のコンビニに立ち寄り、トイレ休憩を挟んだ。

 それぞれが欲しい物を店内で購入して車へ戻った。

 ブラックコーヒーが一つ、ミルク入りの珈琲が一つ、それからハッカ味の飴玉と、使い捨てカメラが一つ――

「お前、カメラなんて買ったのか?」

 珍しい、と目線を上げた仲村渠は、同じ妻の視線とぶつかる。
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