神様、俺は妻が心配でならんのです
 ユタは、名前を訂正されたことについてはまったく気にとめない様子で、テーブルを挟んだ二人の向かい側で巫女服を揺らし、くるりと回ると、次は某漫画の有名な決めポーズを一つ決め込んで、仲村渠を真面目な顔付ききで見据えた。

(そもそも、なんでこいつは女用の巫女服を着ているんだろうなぁ……)

 完全に無の過剰の顔になった仲村渠は、不思議でたまらない事項について思考を避難させる。

「よいですかナカバンリカンさん!」
「おいお前、ふざけてるのか?」

 絶妙に間違える名前には、よくもまぁ似たようなニュアンスでころころと思い付くセンスを持っているものだと、もう呆れを通り越して関心させられる。

 そんな仲村渠の反応など、やはり彼は見栄てさえいないみたいだ。

「今、あなたは重大な試練の時にあるのです!」
「はぁ、なるほど。俺に、試練、ね」
「今すぐ祓ってしまわないと大変だ!」
「いった何を祓うというのだね?」

 仲村渠は、ほとほとうんざりしながら、聞いた。
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