双子の恋と幼馴染
コンサート当日。

私の順番はラスト。
去年、賞をもらったから最後。


嫌だ。
弾きたくない。


「次に月川 依夢さんです。」

パチパチと拍手が聞こえる。
それが地獄の始まりにしか聞こえなかった。


拍手が鳴り止み
バイオリンを弾こうとした。


地獄は本当に来た。
腕が動かなかった。
震えた。


ざわざわと騒ぐ観客たち。


そこで私はプツンと記憶が切れた。






目が覚めると
私は病院のベットだった。


やってしまった。
倒れたのだと、すぐに気付いた。


終わり。
バイオリン人生は終わった。
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