学生寮
相手がカケルならいくらでも言いたいことを言えるのに、リョウさんだと何も言えなくなっちゃう。


自分でもおかしいと思うけど、どうしようもなかった。


そんなことを悶々と考えながら横断歩道で信号待ちしていると、ビュッと北風が吹き、その冷たさに首をすくめた。


そのとたん。


ふわっと、首にマフラーが巻かれた。


流行のロングマフラー。


え?


後ろに立つリョウさんを振り返ると、リョウさんは私の耳に顔を寄せた。


「俺からのクリスマスプレゼント」


耳元で囁かれた低い声に心臓が飛び跳ねた。


私が立ちすくんでドキドキしていると、リョウさんはニッコリ微笑み、私の頬にチュッとキスまでしてきた。


ふわぁーーー!
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