学生寮
リョウさんに黙られてしまうとなんとなく気まずくて、私はペラペラといつも以上にお喋りになった。


「えっと、あと、リョウさんは、ミナミさんのなんていうか本性みたいなの、ちゃんとわかっててだまされないですごいな、って思うし。
カンジさんは女がわかってないって、タカさん言ってたけど」

「…………」


私、なんか余計なことまで言ったかな?


う、どうしよう……


「あの、リョウさん?」


「俺は知ってただけだよ」


「え?」


知ってたって何を?

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