学生寮
私は体を起こした。


「あ、リョウさん。
来年のクラス分けのために進路調査票を出さなきゃならないんだけど、私、まだ決まってなくて……」

私がそう言うと、リョウさんは困ったように眉尻を下げた。

「進路か。
それは自分で決めることだからなあ」


そうだよね。

こればかりは、リョウさんに教えてもらうわけにはいかない。


すると、リョウさんの後ろにいたカンジさんが励ましてくれた。

「そんな暗い顔してたら、いい考えなんて浮かばないぞ。
気分転換に海でも行くか?」


海かぁ。

いいかも!


「うん、行きたい!」


私が笑顔でそう言うと、カンジさんも笑ってOKしてくれた。


次の休みにカンジさんが車を出してくれることになり、裕子にも声をかけて、カンジさん、リョウさん、裕子、私の4人で行くことになった。

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