学生寮
ひと際ぎゅっと抱きしめられたと思ったら、リョウさんは私の頭に頬を寄せた。

そして、私の大好きな低い声で呟いた。


「頑張れ」


抱きしめられて、ドキドキしたけれど、同時にとても安心できた。


ずっと、このままでいたい、そう思った。


おそるおそる私も腕を持ち上げ、リョウさんの上着をつかんだ。


リョウさん大好き……


そうしていると、もう矢も盾もたまらなくなってきて、思いの丈を打ち明けたくなった。


もうあふれる思いに耐えきれず、自分から告白してしまおうと私は口を開いた。


「リョウさん。
あのね、私、リョウさんのこと……」



その時……

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