学生寮
微妙な雰囲気を察して、裕子が話題を変えた。


「ねえねえ、そのペンダント、もしかしてブランド物じゃない?」


莉絵ちゃんは自分の胸元に光るハートをデザインしたペンダントヘッドに手をやり、嬉しそうな表情になった。


「これ?うん、リョウ兄ちゃんに誕生日にもらったの」


裕子、ナイスフォロー!

莉絵ちゃんが笑顔に戻ってほっとした。


「へえー、すごいね。
それ結構高いよね。
クリスマスの頃、『女の子が彼氏にもらいたいプレゼントNo.1』って雑誌に載ってたよ。
ていうか、莉絵ちゃんのそのスカートも同じブランドだよね」


私はあまりファッション誌とか読まないので、莉絵ちゃんのアクセサリーも服もブランド物かどうかなんて全然わからなかったけど、裕子は結構詳しい。

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