学生寮
感嘆の声をあげながら、おいしい食事に舌鼓を打っていると、つい、と右隣の莉絵ちゃんの箸がこちらに伸びてきた。


あれ?と思うまもなく、私のお膳の一番右端においてあったお刺身の小鉢から、赤身の刺身を取っていった。


見ると、私のお刺身の小鉢のすぐ隣には、莉絵ちゃんの分の茶碗蒸しが並んでいる。


きっと自分のと勘違いしたんだね。

どうせ、食べきれないくらいあるんだし、いっか。


私はそう思い、黙って食事を続けた。


しかし、次に莉絵ちゃんが私のお刺身の小鉢から甘海老を取ったとき、リョウさんが気づいた。


「莉絵。それ、みのりのだぞ」

「え?うそ、やだぁ間違えちゃった~」


莉絵ちゃんはエヘヘと照れ笑いした。

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