学生寮
「お刺身こぼしたのだって、絶対わざとでしょ、あれ。

『普段着だし大丈夫』なんてよく言うよ。
ブランドのお気に入りのだって言ってたのにね。

私達に対する嫌味?

リョウさんの前ではいい子ぶっちゃって。

あ、そうだ、浴衣!
お風呂でみのりの浴衣取ったのも、莉絵ちゃんじゃないの?

私達が別館の大浴場行くって知ってたし。
みのりがどっちの浴衣着てたかも莉絵ちゃん見てたし。
きっとそうだよ」


それについては、実は、私ももしかして、と思ってた。

もちろん証拠はないけど、そう考えるとつじつまが合う。

あの時、部屋に戻った私の浴衣が行くときと違ったのに、莉絵ちゃんは何も言わなかったんだ。


でも、なぜそんなことするの?

それがわからない。


裕子は私の返事を待たずに続けた。

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