学生寮
しかし、そのせいで裕子は爆発した。


「ちょっと、リョウさん、あなた、自分の妹がこんな失礼なこと言ってるのに、それを注意することも出来ないの?

……もういい!
勝手にすれば?」


裕子はラケットを地面にたたきつけ、コートから出て行ってしまった。


冷ややかな空気が漂う中で、最初に動いたのはタカさんだった。


タカさんは無言でラケットを置き、裕子の後を追った。



「ばっかみたい」


声を発したのは莉絵ちゃんだった。


そして、莉絵ちゃんもすたすたとコートを出て行った。


「莉絵!」


リョウさんがその後を追った。



取り残されたカンジさんと私は後片付けをしてそれぞれの部屋に戻り、皆を待つことにした。

< 184 / 233 >

この作品をシェア

pagetop