学生寮
すると


「みのり……」


リョウさんが、耳元で、私の大好きな声で私を呼んだ。


「……好きだよ」


驚いて私はリョウさんと目を合わせた。


優しい目が、切なく揺れている。


驚いて嬉しくて声が出せなくて、でも、気持ちをこめて見つめ返した。


リョウさんは顔を傾け、そっとキスをくれた。


好き、好き、大好き。


あふれる想いが涙になってあふれ、私は夢中でリョウさんにしがみついた。


大好き、リョウさん。


息が続かなくなって唇を離した後も、リョウさんは私を抱いたままだった。

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