学生寮
「話したいことがたくさんあるんだ。
でも、もう帰るまで二人きりになれるチャンスはないと思う。
だから、あさって2人でどこか出かけない?」


リョウさんに誘われ、うなずいた。


「行きたいところがあったら、携帯に連絡して」


やっと体を解放してくれ、リョウさんは私に微笑みかけてくれた。


それから私達は、先に行った3人を追って奥へ進んでいった。


もちろん、手をつないで。


歩きながら、私はとても幸せだった。


ああ、やっと。


やっと、リョウさんと両思いになれた。


嬉しくて嬉しくて、自然と頬がゆるんだ。


皆には申し訳ないけれど、ずっと2人きりでいられたらいいのにって思いながら歩いていた。

< 199 / 233 >

この作品をシェア

pagetop