学生寮
しばらく歩いていくと行き止まりは少し広くなっていて、カンジさんと裕子とタカさんが立っていた。


「うわあ、すごい……」


鍾乳石は、幻想的だった。


白と碧の世界。


つららのような形のもの、柱のようになっているもの。


どこかで水の滴る音が反響して、それもこの神秘的な世界にとてもふさわしかった。


すべて自然が作り上げた産物。


自然の驚異にただ驚くばかりだった。


しばらくの間、鍾乳洞の美しさに目を奪われて立ち尽くしていた。


リョウさんの告白の直後に見たこの景色を、きっと私は一生忘れない、そう思った。


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