学生寮
私と母はまたソファに座った。


「かっこいいわね、リョウ君。
気に入っちゃった。
みのり、逃がさないように頑張んなさいよ」


母はそう言って私の肩をぽんとたたいた。


「逃がさないように……って」


「あらあ、あんないい男、他の女の子たちだって放っておかないでしょ。
しっかり捕まえておかないとダメよ」


まあ、たしかに。


でも、そんなことより私は気になっていたことがあった。


「ねえ、お母さん、伯母さんからなんて聞いてたの?」


母は残った紅茶を飲み干した。


「さあね。内緒。
ほら、みのりも早く飲んじゃって。
買い物行くわよ!」


……やっぱりマイペースな母だった。


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