学生寮
「そういうタカは、この間の彼女とはどうなったんだよ」


カンジさんが、タカさんに話を振ってくれた。


ありがと、カンジさん!


「この間のって……どれよ?」


えーっ!


タカさんって、何人彼女いるの?


「ほら、この間俺がバイトから帰ってきたら、玄関前でもめてたじゃん」


「ああ、あれな。まいったよ。
もうちょっとクールな子かと思ってたんだけどさあ。
まあ、もう切ったけど」


「おまえさあ、もうちょっと、ちゃんと女の子と付き合えよ。
知ってるか、おまえのあだ名。
歩くエロマシーンだってよ」


「誰だよ、んなこと言ってんのは。
どうせサークルの女達だろ。
学内ではもう手ぇ出してねーよ」


歩くエロマシーンって……


思わず、じとーっとタカさんを横目で見てしまった。


そんな私の視線に気づいたのか、タカさんは私に言った。


「だけど、俺は、誰かさんみたいに中学生には手を出さないぜ」

< 22 / 233 >

この作品をシェア

pagetop