学生寮
クレープを食べ終わるころ、私のお気に入りの雑貨屋さんの前に来た。


「ね、ちょっと見ていい?」


リョウさんを引っぱって、店内へ。


クリスマスに何もお返しをしていなかったので、何かリョウさんにプレゼントしたかった。


ストラップやブレスレット、ペンダントなど、いくつか良さそうなのを手にとって、リョウさんに見せるけれど、リョウさんはどれに対しても『いいんじゃない?』なんて反応で、いまいち。


「みのりが選んでくれるんなら、何でも嬉しいよ」なんて言うから、困っちゃう。


雑貨屋さんは諦めて、ファッションビルへ。


上のフロアから順番に見て回る。


以前、リョウさんが着ていた服と同じブランドの店があったので、そこに入ってみたけれど、リョウさんはこれといって気に入ったものはないみたい。


これじゃ、プレゼントが見つからないよ……


すると、リョウさんが、アクセサリー店のディスプレイの前で立ち止まった。

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