学生寮
下の階に下りると、書店の前で「買いたい本があるからちょっと待ってて」とリョウさんに言われた。


私は、文具コーナーで待つことにし、なんとなくそこにある商品を眺めていた。


ふと金色に光るものが目につき、なんだろう、と手に取ると、透かし彫りのしおりだった。


リョウさん、よく本を読んでいるし、これプレゼントにいいかも、と思い値段を確認すると案外安かった。


そこで、金の透かし彫りのしおりと、革のしおり、革のブックカバーをセットにしてプレゼントすることにした。


レジでプレゼント用に包装してもらって袋に入れてもらい受け取っていると、ちょうどリョウさんがやってきた。


「何か買ったの？」


「うん、ちょっとね」とあいまいに答え、リョウさんが会計を済ませるのを待った。


「そろそろ、お昼にしない？
近くにおいしいイタリアンのお店があるの」


ビルを出て、リョウさんを案内した。

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