学生寮
「そうか。いろいろ釈明っていうか、言い訳しておこうと思ってたんだけど、みのりがいいって思ってくれるんなら、俺もいいや」


お互いに微笑んだ。


「そういえば、もうすぐ4月だけど帰省するの?」


莉絵ちゃんのことを思い出したら、旅行に行ったときに、リョウさんが莉絵ちゃんに4月に帰省するって言ってたことも思い出した。


「ああ、それも話そうと思ってたんだ。
2日から4日まで帰ってこようかと思ってる」

「ふうん、そっか」

「この間は、莉絵がひどいことばかりしてほんとにゴメンな」

「ううん」


リョウさんは少し下を向いて考えていた。


顔を上げると、しっかりと私の目を見て言った。


「少しうちの事情だけは話しておこうかと思うんだけど、いい?」


私は手に持っていたカップを置いて答えた。


「うん、もちろん」

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