学生寮
リョウさんと莉絵ちゃん、異母兄妹なんかじゃなかったよ、裕子。


こんなに悲しい理由だったんだ。


莉絵ちゃんにも同情した。


さみしかったんだね、莉絵ちゃん。


「なんか、しんみりしちゃったな。
でも、だからって、この間の莉絵の態度は許されるものじゃないし、それを容認した俺も悪かったって反省してる。
ただ、みのりには、俺のこと知っていて欲しかったから……」


「うん、話してくれてありがと」


リョウさんのおうちのことはちょっと複雑で大変なんだなって思ったけれど、それを話してくれたことは嬉しかった。


また一つ、リョウさんのことを知った。


どんどん私の中のリョウさん情報が増えていくのが嬉しかった。

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