学生寮
コーヒーを飲み終え、レストランを出て、私達はまた並木通りを歩き始めた。


駅から離れるにしたがってお店の数は減り、人通りもまばらになってきた。


代わりに民家が増えていく。


そのあたりは大きな家が続き、塀越しに垣間見える広い庭にはたくさんの木々が茂っていた。


「ここを曲がると、私の高校だよ」


「ふうん、いいとこにあるんだな」


私達は、高校の方へは行かず、並木通りに沿って歩き続けた。


並木通りは、図書館の建物がある方へ続いていく。


図書館へは、並木通りを曲がってまた別の並木道に入る。


図書館へと続く並木道はところどころにベンチがあり、本を読む人がポツリポツリ座っていた。


さっきまでの喧騒が嘘のように、静かで穏やかな空気の中を、リョウさんと2人ゆっくり歩いていった。

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