学生寮
ずっとおなかを抱えて笑っていたカンジさんが、思い出したように言った。


「みのりちゃん、こいつらこうやってケンカしてるように見えて、実は仲いいんだよ。
なんてったって、2人は付き合ってるんじゃないかって噂もあるくらいなんだから」


「「ハァ?」」


タカさんとリョウさんは同時に眉間にしわを寄せた。


構わずカンジさんは続けた。


「タカもリョウも見た目カッコイイでしょ。
モテるんだよね、2人とも。
でもさ、タカは歩くエロマシーンだけど、リョウは、全然浮いた話なくてね。
大学内でも何人か女の子コクったらしんだけど、みんな振られちゃったみたいでさ。
いつのまにか女子の間で、きっとリョウは女に興味がないに違いないって噂が出てきて。
で、相手はきっといつもつるんでいるタカに違いないってね」


「ああ、腐女子って言われる人たちが好きそうな話ですよね、そういうの。
うちのクラスにもいますよ、イケメンの男の子同士をくっつけて妄想して喜んでる子」


私が頷くと、リョウさんはぼそっとつぶやいた。


「妄想されるだけでも嫌だ」

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