学生寮
「そ、ほら、下がコンクリートの固まりになってて、移動できるタイプのバス停あるでしょ?
あれをコイツ、寮の前まで引きずってきたことあるんだよ」


「ええっ、本当に?酔って?
でも、それって、バス会社に見つかったらまずいんじゃないんですか?」


「だろ?飲み会の帰りだったんだけどさ。
みんなが止めるの聞かないで『俺に触るな』ってみんなを振り払って持ってきちゃったんだよ。
でも、翌朝、やっぱりまずだろうっていうんで戻しに行くの手伝ってさぁ。
いい迷惑だったよ、あれは」


呆れてリョウさんを見ると……


「若気の至り?」


なんて、苦笑いしてる。


リョウさん、意外です。


そんなことしそうに見えないのに……


「ポスト、持ってきたこともあったよなあ」


追い討ちをかけるようにつぶやいたのは、タカさん。

< 28 / 233 >

この作品をシェア

pagetop