学生寮
「裕子ちゃん、ボウリングうまいね」


店について落ち着くと、カンジさんが裕子に話しかけた。


裕子は飲んでいたアイスティーのストローから口を離した。


「いえ、皆さんの方がずっと上手でしたよ。
よくボウリングされるんですか?」


「まあね。休講になったときとか、空き時間に時間つぶしにね」


そう言って、カンジさんはニッコリ笑った。


「裕子ちゃん、美人だからモテそうだよね。
彼氏は?」


「今はフリーですよ」


裕子は夏休みに言っていたとおり、あのあとすぐに先輩と別れた。


「でも、言い寄ってくる男は多いんじゃない?」


カンジさんに言われ、裕子はちらっと私を見た。


ん?

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