学生寮
「俺とリョウは、文学部。
タカは法学部。
みんな2年だよ」


「ふうん。私、大学生の知り合いっていなくて、大学生っていうとサークルとか合コンのイメージしかないんだけど、勉強もしてるんですよね」


裕子が首をかしげると、カンジさんが丁寧に教えてくれた。


「もちろん。特に1、2年の間は、一般教養っていって、高校の授業の続きみたいに自分の専門じゃない単位も取らないといけないから、結構授業数は多いよ。
まあ、専門と関係ない授業なんて出てもつまんないから、寝てたりサボるやつも多いけどね。

その代わり、専門の授業は面白いし、力も入る。
俺の場合は日本文学の近世文学を専修してるから、そういう授業の演習は、きっちりレジュメ作ってやってるよ」


カンジさんの言うことは、わからない言葉も多くて、いまいちピンと来なかった。

でも、好きな勉強はちゃんとやってるんだってことは伝わってきた。

< 46 / 233 >

この作品をシェア

pagetop