学生寮
「そういう裕子は将来何になりたいとかもう決めてるのか?」


タカさんが話を変えるように裕子に問いかけた。


タカさんらしいや、
もう裕子も呼び捨てだよ。


「ああ、私は小学校の先生になりたいんです。だから、大学も教育学部を目指しています」


裕子は、自分が小6の時に教わった先生がすごくよかったとかで、自分も小学校教諭になりたんだって。

もう将来のことをきちんと考えている裕子、尊敬しちゃう。

一方、私ときたら……


「みのりは?将来の夢、なにかあるの?」


リョウさんに聞かれたけど、困ってしまう。


「……まだ、わからないんです」


リョウさんはさして気にとめる様子もなく「そう」と答えた。


しかし、タカさんはそれだけじゃすませてくれなかった。

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