学生寮
「ごめん、ちょっと意地悪だったかな。
なんか、みのり見てると妹を思い出すんだよね。
妹に彼氏ができて心配する兄貴、みたいな心境になっちゃって」


リョウさんはそう言って、ぽんと私の頭に手を置いた。


「え、いや、だから、彼氏なんかいませんって」


「そだね。それに、みのりは俺の妹じゃないんだし、他人の俺がとやかく言うことじゃなかったね」


そう突き放されて言われてしまうと、なんだかちょっと寂しい。


もちろん、私はリョウさんの妹じゃない。

できれば、恋人候補として見てもらいたい。

でも、私なんか妹みたいなもんなのかなあ。


そう考えたら、昼間会った、ミナミさんを思い出した。


リョウさんの恋人候補は、やっぱりああいう大人の女性なのかなあ。

なんか憂鬱になってきた。


楽しかった飲み会の時の気分は、もうどこにもなかった。



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