学生寮
7.好きだけど
11月も終わろうとする頃。


夜、食堂にジュースを買いに下りると、タカさんが一人、ソファで新聞を読んでいた。


会釈すると、タカさんは新聞をたたみ、軽い調子でわたしに話しかけてきた。


「そういえば、最近はリョウに勉強教わってないのか?」

「うん」

「ケンカでもしたか?」

「そんなんじゃないよ」

「仲良くしろよ~」

「別にケンカなんてしてないって」


少しむきになって答えると、タカさんが口調を変えた。


「じゃあ、
なんでリョウを避けてる?」


なんだか目つきまで鋭くなったみたいで、ちょっとドキッとした。


「え、別に、
そんなことないよ……」

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