学生寮
カケル、というのは、私たちのクラスメートの近藤翔(コンドウカケル)のこと。


1年の時に一緒に体育祭委員をやって仲良くなり、2年になった時にコクられた。


でも、カケルのことを友人としてしか見られなかった私は、その申し出を丁重に断った。


その後もカケルは仲のいい友達でいてくれてる。


でも、私への気持ちに変わりはないようで、いまだにことあるごとにアプローチしてきていた。


「私は、みのりとカケル、結構お似合いだと思うんだけどね。
彼氏彼女として付き合ってみれば、相手の違う面が見えてくると思うから、とりあえず付き合ってみればいいのに。
だめなら、別れればいいんだから」


裕子はそういうけれど、中学時代の元カレとのことがトラウマになっていて、私は好きでもない相手と付き合う気にはなれなかった。


そういう事情も裕子は知っている。


だから、黙ってしまった私にそれ以上は突っ込んでこないで、話を変えてくれた。



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