学生寮
そんな心の内を見透かされそうで黙り込んでいると、タカさんは私を手招きした。


しぶしぶソファの近くへ行き、タカさんの横に立った。


「おにーさんに話してみな。
リョウには黙っててやるから」


「え、別に何もないって」


「…………」


「…………」


タカさんの視線が痛い。


とっさに適当な言い訳が思いつかなくて、黙っていた。


でも、タカさんと2人きりでお互いに黙っているのは、ものすごく居心地が悪い。


何か言わなきゃ。


「ただね、ちょっと迷惑かなって思って」


「迷惑?何が?」

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