学生寮
「暇だから、ここにいるんじゃないか?
別にあいつ、忙しそうじゃないぜ」


うっ、そうかも。

でも、でも、えーと……


焦る私を見て、タカさんが詰め寄ってきた。


「みのり、本音で話しよーぜ」


タカさんの眼鏡の奥の瞳が光った気がして、身を縮めた。


うぅ、こわいよ~

でも、タカさんは決して私をいじめたいわけじゃないってことはわかってた。

エロ発言も多いけど、タカさんはいつでも私や周りの人たちを和ませてくれる。

誰よりも周りをよく見ていて、相手の気持ちを察するのがうまい。

裕子もそういうところがあるから、どこか似ているなと思っていた。

今も、ギクシャクしている私とリョウさんの関係をタカさんは心配してくれてるんだってわかってる。

でも、本音なんて言えないよ。

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