学生寮
「こうするの、嫌?」


「…………」


そ、そんなの答えられないよ。


嫌なわけないけど。


嬉しいけど。


真っ赤になって何も言えないでいると、リョウさんは、ぎゅっとさっきよりも強く私を抱きしめた。


私の顔はぴったりリョウさんの胸にくっついた。


なに?


からかわれてるの?


どういうこと?


どうしよう、どうしよう、どうしよう……


ドキドキドキドキと、顔も耳も頭も首も全部が心臓になってしまったようで、私は何も考えられなくなった。

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