子兎さんは俺様総長のお気に入り


1ヶ月後─




「うさぎ、明日入学式でしょ?

こんなにのんびりしていていいの?」





ソファでうたた寝していた私をお母さんが起こす。






そう、自立したいと言いながら実家が心地よくて引っ越し以来あのアパートに帰っていない。






お父さんもぎりぎりまでここにいていいって言ってくれたからつい甘えちゃって....。







今日の夕方にはここを出ないと向こうに着くのは夜中になってしまう。






「もうちょっとしたら支度して帰るよ。」






でも、ここで寝てしまったらあとがだるくなるからすぐに顔を洗いに行き支度する。







化粧して、髪はハーフツインにする。






中学で友達にハーフツインは私っぽいって言われてからトレードマークになった。






「お母さん、行ってきます。

お父さんには後で連絡してまた時間ある時に帰ってくるね。」







「ごめんね、急に大変なことになっちゃって。

辛くなったらいつでも帰ってきていいからね。」






「もう、転勤の話は大丈夫だって!


お母さんこそ無理しないでね?じゃあ!」






手を大きく振って1時間に1本しか来ない電車へ向かう。
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