子兎さんは俺様総長のお気に入り
5.ダークネス
理王への気持ちに気づいた次の日。
今までの嫌がらせは夢だったかのように、ピタッと無くなった。
言葉通り、黒龍のみんなが何とかしてくれた。
自分でなんとかしたいって言ったのに情けない。
「やっと、平穏な日常が戻ってきて良かったね」
「ほんとに良かった」
教室まで移動する廊下を、いつもの日常を噛み締めて麻衣と歩く。
もう、不安だったあの数週間は無くなったんだ。
「理王さまって相当うさぎに気があると思う」
「え?どうしてそう思うの?」
「理王さまってさ、黒龍の総長でありあの島崎グループの御曹司でしょ?
この学校でも、姫になりたくて綺麗な先輩達が言いよっても一切振り向こうとしなかったらしいよ」
「つまり…?」
私も、流れで姫というものになってるけど、別に理王と付き合っているからではなくて、今まだにいない面白い女扱いだから。
私に気がある要素なんてない。