子兎さんは俺様総長のお気に入り

今の様子を伺うと恐らく後者だろう。

仮に、前者だとしても俺でなくうさぎに手を出した時点でアウトだ。



「悪いがお前は俺の大切な女を傷つけたんだ。
手加減できそうにねえから歯食いしばれよ」



「それはこっちの台詞だよ。
俺は、お前を消すためならなんだってする」




そう言って泉は、うさぎに向けていたナイフを今度は俺に向ける。


うさぎに拾われた時は、何人もの奴等を一斉に相手してたから情けねえ姿見せたけど、今はもうそのナイフが俺に掠ることはない。



「ちょこまか逃げてんじゃねえよ!」



「うるせえよ」




右手に力を込めて、やつのみぞおちにクリーンヒットさせると地面に倒れて気絶した。



好きな女の前で情けねえ姿見せられねーっての。




「理王、ほんとにありがとう…」



「……っ!」




後ろから華奢な身体がくっつき、腕が俺のお腹に巻き付く。
っんとに、不意打ちずりぃ。



緩んだ口をみんなに見られたくなくて、手で隠す。



この想いをうさぎに伝えよう。


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