子兎さんは俺様総長のお気に入り
6.1学期終了と夏休み
理王と泉海斗が向き合っていて、何かを話している様子が見えた。
やっぱり、理王に恨みを持っている人なんだと確信した。
泉海斗の手には、ナイフが握られていて理王と最初に会った時のことを嫌でも思い出す。
深くはないけど全身が傷だらけになっていて……
「うさぎちゃん、理王なら大丈夫だよ。
あいつがあーやって冷静の時は、ブチギレてる時でその時は誰も手がつけられないくらい強いよ」
「はい。湊さん、ありがとう」
顔が強ばっていたのか、余計な気を湊さんに使わせてしまった。
湊さんの言う通り、大丈夫。
私がもっと早めに相談すれば良かったことを、1人で解決しようとして結果、巻き込まれなくて済んだ人たちを傷つけた。
だから、私は最後まで見届ける義務がある。