子兎さんは俺様総長のお気に入り
結局数日経っても、あの2人のことを聞けずにいた。
「うさぎ何ぼーっとしてるの?
次理科室だよ?」
「あ!そうだった!
ごめん先に行ってて?走って追いつくから!」
私は慌てて引き出しから教科書とノートを探す。
先に理科室へ向かう麻衣を走って追いかける。
「あ!待って!」
「え?」
振り返ると、茶髪で可愛らしい男の子がしゃがんで何かを取る。
「はい、大事なものでしょ?」
「生徒手帳!拾ってくれてありがとう!
お礼にしてはちょっとショボイけど良かったらこれどうぞ。
じゃあ、急いでるから行くね?」
彼は、私のポケットから落ちた生徒手帳を拾ってくれた。
いつも何個か持ち歩いているピンクうさぎちゃんキャンディーを渡す。
名前聞いておけば良かったと理科室へ向かう途中で後悔した。