子兎さんは俺様総長のお気に入り
2.一方的な条件
「ねぇ、うさぎ。
さっきなんだったの?」
やっぱりそれ聞かれるよね?
「俺も知りたいかも!」
麻衣の他に隣の席で仲良くなった田中謙心も顔をずいっと近づける。
「なんか手違いがあって呼ばれたけど私じゃなくて他の人だったみたい。
よくわかんないけど。」
私もよくわかんなかったけど取り敢えずの言い訳をする。
結局なんだったの?
お礼を受け取らないのと、暴走族の存在を知らなかったのが気に入らないってこと?
別にお金目的で助けたわけじゃないし、バイトすれば必要な分のお金は手に入る。
「はぁ……。」
「うさぎ、疲れてるね。
あ、さっきいなかったから私達で話してたんだけど聞いてよ謙心!
この子一人暮らししててバイトもやってるんだって!」
「まぁ、しっかりしてるしうさぎちゃんなら納得かも。」
「それって私がしっかりしてないって事!?」
「そうじゃないけど!」
麻衣と謙心はなんか言い合っているけど、私はそれどころじゃなかった。
今考えたらさっきの私、島崎理王に対してタイプじゃないとか失礼なこと言った気がする。
俺様の性格は気に入らないけど、顔は整っていたし世の女子達が好きなのはわかるかも…。