子兎さんは俺様総長のお気に入り
離れて!と思いっきり彼を叩いて何事もなかったかのように距離をとって立つ。
「あれ、君花森うさぎちゃんじゃん!」
「私のことを?」
「知らない人いないと思うよ?
今年入った新入生の中で1番可愛くてファンクラブもあるって有名だよ。」
「いやいや、人違いじゃ……。」
可愛いなんて間違い。
中学の時なんて男子からじゃじゃ馬と言われていた。
可愛いなんて私には無縁。
「うさぎちゃん、放課後空いてる?
空いてたら俺と遊ばない?」
「特に予定はないから大丈夫だよ。」
「おい、蓮!
こいつは俺の女だ。
しかも、こいつはお前の遊ぶ意味理解してないからやめろ。」
さっきまで座ってた島崎理王が、私の隣にいて肩を抱き寄せられる。
あなたの女にもなった覚えないけどねって言ってやりたかったけどここは我慢。
「うさぎちゃん、キャンディーありがとね!
俺、1年A組の宮山健太!よろしくね!」
「あ、あの時の…!生徒手帳拾ってくれてほんとにありがとう!
こちらこそよろしくね、健太くん。」